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古屋レポート
 このページはメガネやレンズについての情報や、個人的な見解をご紹介するコーナーです。お客様・同業者・業界関係者の方へ何かの参考になればと思います。
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『れんず屋』代表 古屋 和義
最新レポート 2020年12月28日『曇らないレンズ(防曇コート)について』

防曇コートについて

1 曇らないレンズ?? 防曇(ボウドン)レンズとは??
 現在、ほとんどのプラスチックレンズには汚れや傷を防止する撥水加工が付いています。撥水力が強いレンズほど、水がレンズ表面で水滴状となって曇りを起こします。

 防曇コートは、レンズ表面に親水性の高いコートを施し、水分を膜浄化して曇りを防止します。

 お手入れ時に使用する「専用の布」や「溶剤」には、水をなじみやすくする界面活性剤が調合されています。数日〜1週間程度、効果を持続させます。
 マスクを常用する現在、メガネを使われている方によく起こる『曇りの問題』、お役に立つ商品としてご紹介します。


2 製品紹介 販売されているレンズの種類

  • SEIKO 『フォグレスコート』(専用液タイプ)
  • TSL 『アメージングコート』(専用クロスタイプ)
  • ITO 『BDコート』(専用クロスタイプ)
  • 東海光学 『MFC メンテナンスフリーコート』
     ※界面活性剤を使用しない水分吸収型(メンテナンス不要)。
 HOYA、Nikon などのメーカーは現在(2020年12月)防曇コートのレンズは販売していません。


3 販売価格の一例 (2020年12月現在、2枚一組税別)

  • SEIKO では、通常遠近価格に加算¥2,000〜¥4,000位。
    *遠近両用 \18,000〜
    *単焦点 \14,000〜
  • TSL
    *単焦点 ¥12,000〜
  • 東海光学
    *遠近両用 ¥19,000〜
    *単焦点 ¥10,000〜


4 効果は?『実際に使っての感想・・・』
SEIKOの遠近両用「インテグラNS 1.60 フォグレスコート」を実際に使ってみました。
 また、れんず屋スタッフ11名も、SEIKOの「フォグレスコート」を使用しましたので、私を含めて合計12名の意見です。

*『マスク常用が必須の現在、日常使いであれば十分な効果を感じる』
*『効果は数日続く』

曇り止めの効果については、十分におススメできる性能を発揮しました。 


5 問題点は? 気になる点は?

  •  SEIKOの取扱説明書では、お手入れ(専用液をつけて、ティッシュで拭く)のタイミングは、曇り止め効果を持続させるために、週1〜2回程度が目安とありますが、もう少し頻度を高くしたほうが効果的。
  •  湿度が高く、雨が降る様な条件の悪い環境では、レンズ面が水で濡れた膜状となり視界が滲んで見えなくなる。条件の悪い環境ではマイナス面が見受けられました。
  •  取扱説明書に記載がある、スキー場や冷凍庫など氷点下では、レンズ表面の水分が凍り、曇りに似た状態になることがあります。
  • 『汚れやすい』『汚れをふき取りにくい』
     〜〜 これが防曇レンズの最大の弱点です 〜〜
     皆さんが使っているメガネレンズには、ほぼ全て、汚れが付きにくい撥水加工が付いています。(表面がツルツルして、汚れが拭きとりやすい。)
     ところが、防曇コートは専用液を保持するため、撥水に比べてベタベタ(イメージ)な感じです。撥水コートのレンズからすると、防曇コートのレンズは必ず『汚れやすい!』『拭きにくい』と感じると思います。このようなマイナス面もご考慮して下さい。


6 余談 『防曇の歴史 約20年』
 記憶ですが、防曇レンズが出来たのが今から20年前位と思います。
 当時、冬にラーメン屋さんに入った時や、満員電車、暖かい家に帰った時に一時的に曇る程度であまり需要がありませんでした。
 通常コートよりも金額が高くなり、また汚れやすいことから当店でも勧めるレンズではありませんでした。(当時、話題性・差別化もあったので多少は販売しました。)

 花粉症が流行した頃から、マスクの使用で春には多少の需要がありました。そのころから HOYA、Nikon、東海光学 を含め全メーカーが防曇コートをオプション化していました。
 ところが、撥水コートに対応した『曇り止めの溶剤』が発売されたことで、季節的、一時的な対応には『市販の曇り止め液』で良いのでは・・・
 それ以降、当店でもほとんど販売はしていません。
 その結果、HOYA、Nikon は撤退、東海光学も一部販売を終了しているのが現状です。

 2020年 マスクを常用する=メガネが曇る
 防曇レンズが再度見直されることになりました。知識的には販売することが出来ますが、使用経験がスタッフを含め誰もありません。商品説明に活かしたいと思い、スタッフ全員が試してみました。
 『防曇コート』と『撥水コート+曇り止め』、防曇コートレンズに『指定専用液』と『一般販売の曇り止め』なども試しています。参考にして下さい。

れんず屋スタッフの使用感想はコチラ


7 市販されている『曇り止め』について
 大きく2種類に分かれます。
*『メガネクロスタイプ』(界面活性剤を含んだメガネ拭き)
*『液体・ジェルタイプ』

 効果が高いのは、圧倒的に『液体・ジェルタイプ』で1日効果が持ちます。簡単でお手入れに手間がかからないのは『メガネクロスタイプ』ですが、曇り止め効果、持続性は落ちます。家や会社でじっくり手入れするなら『液体・ジェルタイプ』を!『クロスタイプ』はあくまで一時的・携帯用を思って下さい。


8 個人的な感想
 これから『防曇レンズ』は色々なメガネ店で紹介されると思います。(新製品なども出るといわれています。)
 今回のレポートは、防曇コートの『長所』『短所』実際に使っての感想を案内することで、皆さんが使っている撥水コート(汚れ・傷に強い)と真逆の性格を持つコートである事を紹介して、選択の参考にして頂きたいと思いました。
 『いつも曇って困っている!』 マスクが常用となり、曇りやすい時期には効果的な良い製品ですが、夏の汗、汚れには弱い!
 *曇り止め持続効果が1日くらいの『撥水レンズにジェルタイプ』よりは、『防曇コート』が効き目が高いことは確かです!(数日効果あり)
 メンテナンスの手間は、ほぼ同じなので、微妙なコートであることをご認識頂けれはと思います。

 スタッフもご来店時には、紹介すると思いますが『毎日メガネの曇りが気になる!』方でないとマイナス面が出ると思います。ご興味のある方は店頭でスタッフに声を掛けて下さい。微妙な説明・紹介をすると思いますが・・・サンプルもありますのでご確認下さい。

 結論 『今現在のマスク常用の条件下では良いレンズです。』