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古屋レポート
 このページはメガネやレンズについての情報や、個人的な見解をご紹介するコーナーです。お客様・同業者・業界関係者の方へ何かの参考になればと思います。
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『れんず屋』代表 古屋 和義
レポート 2015年12月14日『インド滞在記』

インド滞在記
三井化学「Do Green」活動のお手伝い

1 今回のインドでの活動目的
 2015年10月26日から1週間、メガネのレンズ素材を製造している三井化学さんの依頼で、『Do Green』という活動の一環としてインドに行ってきました。現地で「メガネの原材料」を栽培している農家の方の、「目の健康に関係する状態」を確認することが目的でした。
※『Do Green』活動の紹介ページ(三井化学リリース記事)はコチラ

 実際に向かった先は、西インドのグラジャート州の空港から陸路4時間以上ある『バランプル』と『ダーホード』という町です。
インドでの調査地域

 三井化学さんでは、従来の化石燃料からではなく、植物由来の素材(バイオマス)でレンズ原料を製造しています。屈折率が1.74の素材については、バイオマス度82%を達成しています。
※三井化学『バイオマス由来のレンズ材料開発について』の紹介ページはコチラ

 原材料となるのは『ひま』という植物。インドの農村部で栽培しているこの植物には、毒があるため食べることはできません。種子から取れる油をレンズの原材料と使用します。
栽培している植物「ひま」

2 目の状態の記録と確認
 今回の取り組みは、環境への配慮以外に、生産農家さんへの貢献を目的とした、三井化学さんのCSR(企業の社会的責任、corporate social responsibility)部門と現地で活動しているNPO団体の共同作業でした。私の仕事は、オートレフという機械で目の状態(近視・遠視・乱視)を確認すること。メガネを持っていれば、その度数と状態を記録することでした。現地のオプトメトリスト(眼鏡士)と協力して、約150人の方の目を測定してきました。
現地のオプトメタリストと協力して調査
 
 『バランプル』では、「ひま」から油を抽出する三井化学さんの工場の事務所をお借りしました。
三井化学の工場

 2日目・3日目は『ダーホード』にある小学校(教会が農家の子供達を寄宿させて教えている)の教室をお借りしました。
小学校での調査

 調査では、眼科医の治療を受ける必要がある方や、”メガネがあれば”視力も出せる方も多かったです。メガネを持っている人は数%。ほとんどが老眼鏡で、レンズの状態も悪かったです。治療代金やメガネが高価、また町まで数十キロの移動が必要で、ほとんどの方は現状を変えることができません。紫外線の影響か白内障で視力の出ない方が多く、治療と共に、予防の観点からサングラスも有効だと思いました。
 日本の私の店には沢山のメガネが有ります。これが届けられれば視力が出て、快適になる方々です。何か出来ないかと思っても実際には遠い国です。眼鏡屋としてとても考えさせられた調査活動でした。

3 現地の交通事情
 移動は大型のバン。道路は思った以上に舗装されていましたが、人と牛!とバイクと車が入り乱れています。
インドの交通事情
 かなり大きな交差点でも信号がないので、あらゆる方向からバイクと車と人が交差しています。事故が起きないことが信じられないくらいの神業的な交通事情です。小さなお子様のいる家族が渡っているときはドキドキしました。

インドの町には沢山の牛が。
 町には神聖な牛が沢山!!

4 現地の食事情報
 食事はレストランで取りました。牛肉・豚肉が無いので鶏肉だけ。当然!カレー系中心のメニューです。
インドの食事
 やせて帰ってくるかと思っていましたが、食事が美味しいことと、米・麺・ナンなど炭水化物が多かったので2キロ太りました。インドのミルクティー「チャイ」も美味しかったです。

インドの食事メニュー
 価格は日本円で数百円。(写真は食事のメニュー)ちなみに、「グジャラード州」は禁酒州なのでお酒は一切有りません。3日間は禁酒で悲しかったです。

5 現地の眼鏡店
 『ダーホード』の町では地元の眼鏡店の見学をすることが出来ました。インドでは英語が第二言語などで、何とかコミュニケーションを取って仲良くなりました。
インドの眼鏡店
 日本の眼鏡の資料を渡すと、写真に写っているレンズの価格表をもらいました。日本と同じ様に、1.74素材や、遠近、トランジションズの調光レンズなどがありますが、現地の方には高価な製品です。

6 最後に
 最終日にデリーの『インド門』を30分ほど見学して空港に向かいました。今回は仕事なので観光はありませんでした。
インド観光
 外国人は珍しいらしく、英語で中国人か?とよく話しかけられました。日本人と説明しましたが、「日本」がわからないようです。

 最後にインドの可愛い子供達の様子。
インドの子供達


 疲れましたが、非常に良い体験をしたと思っています。