累進レンズ比較・体験 Q&A

W 失敗しない為には

1 知って頂きたい事
  遠近両用レンズを失敗しないで選ぶには、いくつかの事をご理解頂きたいと思います。
  • 遠近両用レンズレイアウト
    遠近両用レンズレイアウト
    遠近両用累進レンズには、レンズを特定できる『隠しマーク』があります。
    隠しマークには、レンズ種類・素材屈折率・加入度数・累進帯長などが記入されています。
    遠用度数 : 遠くを見るための度数
    近用度数 : 近くを見るための度数 = ( 遠用度数 + 加入度 )
    加入度 : 遠くを見るための度数と、近くを見るための度数の差
    累進帯長 : 遠くを見る部分から、近くを見る部分までの距離。(8mm 〜 20mm)
             ※メーカーによって定義は異なります。
    インセット量 : 近くを見え易くするための内寄せ量。

  • 加入度による選び方
    『遠くを見る部分(レイアウト A の部分)と近くを見る部分(レイアウト B の部分)の差』
    *加入度が強くなると近くは見えやすくなりますが、視界が狭くなりユレ・歪みが大きくなります。
    加入度が弱い場合には、遠・中・近の視野が広く、ユレ・歪みがほとんど気になりません。 側面に少しユレ・歪みを感じます。初期装用の方は、なれるまで練習が必要。 遠・中・近の視野が狭くなり、ユレ・歪みを感じます。
    初めての遠近両用にはオススメできません。

    ハイグレードの遠近両用レンズを使われていたのに、買い替えの際にセット用の安い遠近両用レンズを購入すると、見え方が大きく低下します。(下図の赤丸)
    同じグレードの遠近両用レンズで、加入度が高まると視野は確実に狭くなってしまいます。
    (下図の黄丸)


  • 累進帯長の選び方
    『フレームの大きさや回旋量・歪みなどに影響する要素』
    累進帯長 フレームサイズ 見え方 特徴
    短い
    8mm

    12mm

    縦幅24mm〜30mm推奨
    視野
    狭い
    近方重視
    小さいフレーム対応。
    遠近両用レンズに慣れた方にオススメ。
    回旋量が少ないので、近方が楽に見える。
    ユレ・歪み
    多い
    一般的
    13mm

    15mm

    縦幅30mm〜40mm推奨
    視野
    普通
    中間重視
    スタンダードタイプ。
    初めての方にオススメ。
    ユレ・歪み
    普通
    長い
    16mm

    20mm

    縦幅40mm以上推奨
    視野
    広い
    遠方重視
    運転やスポーツ・アウトドアなどにオススメ。
    回旋量が多くなるため近方が見えにくい。
    ユレ・歪み
    少ない
    同じ遠近両用レンズでも数種類から選べます。
    どのような見え方になるか、比較してお選び下さい。

    回旋角
    回旋量 : 近方を見るときに必要な視線の移動量

    累進帯長が短いと、近方を見るときの回旋量が少なく、近方を楽に見ることができます。

    累進帯長が長い場合、近方を見るときの回旋量が多く必要になり、アゴを上げて視線を落とす必要があります。

  • インセット量
    眼は近くを見るときに寄り目になります。
    遠近両用レンズはこれを考慮して、近用度数部分が鼻側に内寄せして設定されています。
    遠近両用レンズの近くを見る部分の内寄せ量をインセット量といいます。
    詳しくは『遠近両用のススメ 2-5インセット設計』をご覧下さい。

    インセット量が適正になることによって、近方の視野は広くなります。
    インセット量の設定は、遠近両用レンズによって異なります。
    【既成インセット設定】
    固定インセット
    2.5mmなどの1種類

    近方視野が狭い
    【適正インセット設定】
    度数によって数種類〜
    数十種類の自動設定
    近方視野が広い

    【最適化インセット設定】
    度数・目的距離・PD
    などを考慮して設定
    近方視野が更に広い

    ※写真・見え方はイメージです。

    れんず屋では、【最適化インセット設定】【適正インセット設計】の遠近両用レンズをご提案しています。

2 遠近両用レンズが合わないかたも
  遠近両用レンズの選び方をご説明してきましたが、
  実は『目的に合わない・向かない方』『駄目な方』がいます。
  • このような方には目的に合いません。

    『遠近両用レンズはあくまでも遠くを見ることがメインです。』
  • 中間・近方を重視される方には向きません。
    • 裸眼で遠方が見え、普段メガネは掛けない・・・遠近両用レンズは常用する為のレンズです。
    • 長時間のパソコン・近業作業・・・回旋量が必要になり、疲れやすくなります。

    中近レンズ(室内専用)
    遠くよりも中間・近くを重視する方
     ・ 遠くが見える老眼鏡。
     ・ 遠近両用レンズに比べ、
          近く・中間が広くなります。
     ・ 運転・屋外・階段では、
                使用出来ない。
    近近レンズ(奥行きのある老眼鏡)
    近くを見るときだけメガネを使う方
     ・ 手元がハッキリ・ワイドに見える。
     ・ 書類からパソコンまでの奥行き。
     ・ 近業専用の為、遠くは見えない。
    単焦点(一般的な老眼鏡)
    とにかく近くをハッキリと見たい方
     ・ 読み書き・手元専用。
     ・ 設定した距離がハッキリ見える。
     ・ 見える奥行きが狭い。

  • 駄目な方??

    『遠近両用レンズのユレ・歪みが気になる方』
    計・図面や精密作業など、近方の見え方にユレや歪みなどの妥協が出来ない方
    歯科医師・設計士・職人さんなどの一定の距離の近方視を重視する方
    歪みのない鮮明な見え方が必要な方に・・・二重焦点レンズ
    レンズに近くを見るための小玉が付いたレンズです。

    特徴
     ・ 遠くと近くがハッキリ見える。(歪みがない)
     ・ ゴルフやマラソンにも使える遠近両用。
     ・ 遠くと近くをハッキリ分けてみたい方
    ※詳しくは二重焦点レンズのページをご覧下さい。

    『老眼初期の方』
    頑張れば見える。離せば見える。明るければ見える。と思っている方
    遠近両用レンズではなくても、近くが『楽』になるレンズがあります。
    疲れ眼をサポートするアシスト設計レンズをお試し下さい・・・アシスト設計レンズ
    ※詳しくはアシスト設計のページをご覧下さい。

    『遠近両用メガネを使えなかった方』
    個人差もありますが、生理的にユレ ・歪みに 慣れられない方がいます。
    遠くを見るメガネと老眼鏡の使い分けをするのも良いですが、
    違和感の感じにくい『アシスト設計レンズ』からお試し下さい。
    少しづつ慣れることも大切では??・・・使いこなせれば便利なアイテムです。


遠近両用レンズの特徴や選び方をご説明してきましたが、
結局は実際の見え方を体験・比較する事が重要です。

当店で体験出来る遠近両用・中近・近近・二重焦点レンズのテストレンズ一覧をご紹介します。

是非、あなたの眼で最適レンズをお選び下さい。


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