被写界深度の違い
上の写真は、手前のベンチ中央付近にピントを合わせ、カメラの絞り値を変え撮影したものです。被写界深度の違いにより、奥のベンチや周辺のボケ具合が大きく違って見えます。
●被写界深度の浅いレンズ
焦点位置においては収差が無く鮮明な画像が得られますが、焦点をちょっとずれただけで大きなボケが生じます。
●被写界深度の深いレンズ
焦点位置ではややボケが生じますが、焦点が多少ずれてもほぼ同等の画像が得られます。
収差を若干残しながら被写界深度を延長させる技術は、WFC(Wavefront cording:波面符号化)と呼ばれ多くの研究が行われています
●カメラシステムの場合
複数のレンズを組み合わせて使うカメラシステムの場合は、「3次位相板」と呼ばれるフィルターを加えて、被写界深度を延長します。
●眼鏡レンズ(ESシリーズ)の場合
眼鏡レンズは1枚のレンズしか無いため、「3次位相板」に相当する「3次非球面」を付加して被写界深度を延長します。
●効果1.視野の拡大
視野の拡大効果があります。
●効果2.動体視
動く物体が見やすい効果があります。
●効果3.調節疲労
調節性疲労の減少効果があります。
●効果4.暗所視力
薄暮時の視力低下減少の効果があります。
●見え方例
遠くの街並みが鮮明になります。
効果1 視野拡大 |
効果2 動体視 |
効果3 調節疲労 |
効果4 暗所視力 |
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従来の非球面レンズで遠くの見え方に不満の方 | 〇 | 〇 | ||
球面設計から非球面設計に掛けかえ得られない人 | 〇 | |||
夕方、物がよく見えないと感じる人 | 〇 | |||
濃いサングラスカラーのレンズを掛ける人 | 〇 | |||
ドライブ・スポーツ等、屋外での使用がメインの人 | 〇 | |||
素早い動きのあるもの、焦点位置が頻繁に変わるものを見ることが多い人 | 〇 | |||
新聞などを見ていると疲れる人 | 〇 | 〇 |
※被写界深度延長効果は人および環境により感じ方が異なります。
※明るい場所や調節力が十分にある人は、被写界深度延長効果を感じづらい傾向にあります。