B視力測定の中身を大公開〜メガネ屋さんの視力測定 STEP1〜
基本確認事項についての問診
1.お客様カードの作成
ご来店頂いた店舗にてお客様カードの管理をさせて頂きます。
※個人情報になりますので、メガネ作製以外には使用致しません。
※ご許可を頂いた方のみ、ご案内をお送りさせて頂きます。
お客様カード
2.遠近両用レンズの問診
遠近両用レンズのご提案基礎資料と致します。
項目例 ●装用歴(初めて・2回目以降) ●現在のメガネでの不便さ・不自由さ
      ●使用目的 ●パソコン・運転状況 ●特質事項
別紙の問診表にご記入を頂くか、口頭にて質問をさせて頂きます。

3.予備測定
裸眼視力:メガネを掛けていない時の視力
利き目:手や足と同様に「眼」にも利き目があります。
PD:瞳孔間距離【右眼と左眼の黒目(瞳)の距離】
輻輳・カバーテスト:斜位やプリズムの必要性を確認。

4.ご使用中のメガネレンズの確認(KB値)
→種類・度数・視力・コーティングの状態・フレーム形状の確認
→ご使用中のメガネについて、種類や度数を参考にします。
※使用していない・調子の悪いメガネも度数やその原因などの多くの情報が参考となります。
種類:単焦点・遠近・中近・近近・多焦点
   →単焦点レンズ以外は、メーカー・種類などもレンズにマーク(隠しマーク)されています。

度数:レンズ度数が簡単に分かります。
   →近視・遠視・乱視など、レンズに入っている度数を数値化します。

視力:ご使用中のメガネを掛けた状態で、どの位見えるのかを確認します。
コート状態:レンズの状態(キズ・クラック・コート剥がれなど)
       レンズの状態で、見え具合に及ぼす影響などを確認します。

フレーム形状:天地幅(縦幅)・サイズ(横幅)形状など。
         遠近作製の可否やレンズ種別の制限を確認させて頂きます。

5.他覚測定(オートレフ)
機械測定データ:自動で眼の屈折状態を調べます。
近視?遠視?乱視? 大体の度数が分かります。
ほぼ、正確な度数(オートレフ値)から測定する為、
眼を疲れさせることなく、自覚測定が出来ます。
 【れんず屋 視力測定 お客様カード】
1.簡易問診 13.完全矯正値 片眼矯正視力
2.既用眼鏡度数(KB) 14.完全矯正値 両眼矯正視力
3.既用眼鏡 加入度 15.最大加入度数
4.既用眼鏡PD(瞳孔間距離) 16.ピューピロメーター実測PD
5.既用眼鏡 両眼矯正視力 17.測定備考欄(プリズム・微調整時の視力等)
6.既用眼鏡 片眼矯正視力 18.装用度数
7.オートレフ度数データ 19.装用度数 両眼視力
8.オートレフPD(瞳孔間距離) 20.装用PD
9.オートレフ精度 21.アイポイント位置
10.両眼裸眼視力 22.ご購入レンズ種類
11.片眼裸眼視力 23.ご購入・お持込フレームデータ
12.完全矯正値度数 24.各担当者サイン
B視力測定の中身を大公開〜メガネ屋さんの視力測定 STEP2〜
6.自覚測定(システム検眼機)
※リラックスして下さい。
※レンズを入れ替えて見比べて頂き、見えやすい・見えにくいなどの比較をして頂きます。
※見えにくい場合には無理をして見なくても大丈夫です。
  →ここではメガネを作る上で必要な度数を出します。 この度数ではメガネは作りません。
    老眼鏡を作る場合でも遠くが見える完全矯正値の確認を致します。

片眼測定(片方づつの見え方【最高視力度数】を確認します。)
『一生懸命見なくても大丈夫です』『眼を楽にして、リラックス!』
※乱視測定(クロスシリンダー法)乱視度数と乱視軸方向の確認をします。
→『1番・2番、どちらが見やすいですか?』『見えやすい番号を教えて下さい』
※球面度数 レッド・グリーンテスト→『視力表のどこまで見えますか?』

両眼視測定(両眼で見た時の視力)
バランス・立体視・斜位測定など両目での見え具合を確認。
※文字がダブって見える。 二重に見えるなど。
7.完全矯正値の確定
最も遠くが見える強い度数(完全矯正値)が基準の度数になります。
実際のメガネ(装用値)は、この基準を基に、目的・掛け心地の良い度数に設定していきます。
R(右) V1.2=S(−・+)●● C(−・+) AX●●
L(左) V1.2=S(−・+)●● C(−・+) AX●●  両眼V=1.5(V=視力)
B視力測定の中身を大公開〜メガネ屋さんの視力測定 STEP3〜
8.近方度数(加入度数)測定
→近くを見る際に、必要な度数(加入度)を測ります。
システム検眼機での視力測定は終わります。

9.調節力測定(明視域の算出)
近くを見る時の調節力(ピント調節力)を測定します。
調節力:完全矯正値の状態(正視)で近くを見る為の
      ピントを合わせられる力。

明視域:裸眼・メガネを掛けた時にピントの合う範囲


メガネを使う目的とは・・・『裸眼の明視域を目的明視域にすること』
裸眼では遠くが見えない(近視) → 目的は遠くが見えるメガネ

【例】
近視 −3D(完全矯正値)のメガネを掛けると遠くが見える。
近視の眼 + −3Dのメガネ = 正視の眼になります。
      ↓  ↓  ↓  ↓  ↓
D(ディオプター)を求める計算式
100÷D=F D:レンズの度数 F:距離(cm)
※この近視の方の明視域は、33cmまで。 それ以上はボヤけている。
そこで・・・ −3Dのメガネを掛けると遠くが見える。 と言うことになります。


老眼鏡は近くが見えない(近くに明視域がない)眼を新聞などの文字が見える様に、
遠視・正視の方はプラスレンズ(凸レンズ)、近視の方はプラスレンズ(凸レンズ)または、
マイナスレンズ(凹レンズ)を使うことで、近くに焦点を合わせます。
B視力測定の中身を大公開〜メガネ屋さんの視力測定 STEP4〜
10.仮枠測定(遠方視力と見え方の体験・比較)

システム検眼機で測定された、遠くが最も良く見える度数を体験。
※片眼づつ最も遠くが良く見える状態の度数(完全矯正値)ですが、
  見えすぎるなど疲れ眼の原因となるため、完全矯正値よりも少し弱めの度数をオススメ。


@の度数よりも弱くした度数を掛けて頂きます。
※見え方に満足できない場合には強めたり、弱めたりします。


●近視の場合:強すぎる(完全矯正値に近い度数)と近くが見えにくくなります。
●遠視の場合:弱くする(度数を下げる)と近くが見えにくくなります。


●目的・希望の見え方に満足されていますか?
●満足できる視力は確保できていますか?
●免許更新は大丈夫ですか?
●パソコン作業は大丈夫ですか? 書類などの細かい文字は読めますか?


※両方の見え方を十分に確認しましょう。 左右、大体同じ見え方になっていますか?

11.遠用装用値の確定

※加入度設定の際に、再度遠用度数の微調整をし決定をします。


※運転、またはご希望のご満足頂ける程度に遠くは見えていますか?
B視力測定の中身を大公開〜メガネ屋さんの視力測定 STEP5〜
12.仮枠測定(近方視力と見え方の体験・比較)

●十分に近くが見える度数です。
●遠くは見えません。(単焦点の老眼鏡を体験して頂きます。)


例:近くの小さな文字を読む・書く
  時計の修理・細工職人など・・・


遠近の加入度数設定の為に、十分に近くが見える度数から、少し弱めの度数を比較・体験。
近方視力の確認を行います。



単焦点の老眼鏡を作製する場合には、この比較・体験で微調整して確定します。
※老眼鏡を掛けてどの範囲(明視域)が見えていますか?


●強くすると少し離れただけでも見えにくくなります。

13.近方視力・・・装用値の確認
※遠近両用レンズの場合には、次のSTEP6
※単焦点の老眼鏡の場合には、ここで終了。
  この基準加入度数を基に遠近両用レンズの体験をします。
マウスを画像の上に合わせて頂くと、別の画像に切り替わります。
●遠用度数はSTEP4の遠用度数

【注意】ところが大きな間違いが発生しているかも・・・
B視力測定の中身を大公開〜メガネ屋さんの視力測定 STEP6〜
14.累進帯長(レンズ種類別)の比較検討
@フレーム形状・遠方度数・近方度数(加入度)・ご予算に応じて、
  レンズ種類・累進帯長を選んで、体験比較の開始です。
A累進帯長は大きく分けて3種類
種類 特長 長さ
長いタイプ 遠方重視・歪みが少ない 16mm以上
標準タイプ スタンダード 13〜15mm
短いタイプ 小さなフレーム対応 8〜12mm
B『じっくり時間をかけて。』
  同じ度数のレンズでも累進帯長の違いで、見え方が変わります。
  ※加入度や遠方・近方度数の設定も変化させ、比較します。

15.いよいよ最後の度数選択 〜各項目のバランス比較・確認 再検討〜
@遠用度数の設定『満足できる視力で、近視は弱め・遠視は強め』
  →度数確定は加入度と見え具合・心地良さを検討しながら。
A加入度数の設定『出来るだけ加入度数は弱めに』
  →強くすると歪みが強くなり、視野が狭くなります。
  →近方の見え方と歪みのバランス・遠近両用経験歴を考慮。
Bレンズ種類・累進帯長の選択
  →グレード・ご予算・度数・フレームなどを基にご検討

16.フレーム形状確認
アイポイント【EP】設定(フィッティング確認)
メガネを掛けた時の瞳の位置を測定し、遠用光学中心の高さを決定します。
→累進帯長の適正・制限確認。
B視力測定の中身を大公開〜メガネ屋さんの視力測定 STEP7〜
メガネレンズの見え方を十分に比較して下さい。
遠くを見たり、歩いたり、近くをみたり十分に体験して下さい。
最も良いレンズ種類・度数は
【ご自身の眼】だけが選べます。
皆さん、ご自身の身長や体重はご存知ですよね?

 眼について知っているのは、『視力』だけではありませんか?
 最適なメガネ・快適視生活のために、毎日使っているメガネレンズの度数を知っていても、
 良いのではないでしょうか?
ここでは、実際のデータの見方・考え方を、簡単ではありますが、ご紹介をさせて頂きます。
眼鏡店での視力測定は全てご本人の選択のためのものです。
           疑問点や不明点はどんどん質問して下さい!!
@お客様カードを見てみよう!(このカードは当店『れんず屋』で使用している書式です。)
※個人情報となりますので、メガネ作製以外の目的での使用は致しません。
※DM・ご案内などはご許可を頂いた方のみにお送りさせて頂きます。
※ご希望により小冊子にデータを写し、お持ち頂き、カードはメガネ作成後に破棄致します。
お客様カードサンプル 表面
●お名前・ご住所・電話番号の記入をお願いしています。
  *データ管理・出来上がり時のご連絡に使用させて頂きます。
●差し支えなければ、以下の3点もご記入下さい。
  *生年月日(加入度の参考の為) *E-mailアドレス *DM発送の可否
お客様カードサンプル 裏面 記入内容
1.簡易問診
眼鏡暦:用途・目的・使用状態・ご不満点など
コンタクト装用の有無:スポーツ時のみなど使用状態
免許の有無:毎日運転など必要視力の参考に。
パソコン使用状況:1日にどれ位 仕事で一日中など。専用レンズの必要性の参考に。
2.既用眼鏡(KB)
お持ちのメガネのレンズ度数・種類・その時の視力を記録します。
3.既用眼鏡 加入度
使用中のメガネが単焦点の為、加入度数は無し。
4.既用眼鏡PD(瞳孔間距離)
今まで使っているメガネのPD(左右のレンズ光学中心距離)
5.既用眼鏡 両眼矯正視力
両眼視力V=0.8
一例では、少し遠くの見えない(視力V=0.8)メガネを使用中。
6.既用眼鏡 片眼矯正視力
右:0.6 左:0.7 右に比べ左眼の方が見えています。
7.オートレフ度数データ
機械(オートレフ)で出した、眼の屈折状態(度数)。
この度数のメガネを掛けると正視(遠くが良く見える)状態になります。
8.オートレフPD(瞳孔間距離)
機械(オートレフ)で測定した左右の瞳孔間距離
9.オートレフ精度
精度は、5・6・7・8・9など大きくなるほど、正確に測定されている事を表します。
(まつ毛が入り不正確な場合には5などになります)
10.両眼裸眼視力 11.片眼裸眼視力
メガネを使用しない時の裸眼視力(両眼・片眼)を測定します。
12.完全矯正値度数
最も遠くが良く見える度数データ
実際にはこの度数を参考に、近くの見え方を考慮して弱めに度数を下げていきます。
一例では、オートレフデータに近い数値でした。(乱視の軸だけが変わる)
→オートレフは完全矯正値を機械的(自動)に出すもので、システム検眼機は
その度数を参考に更に精度を高める機器です。
13.完全矯正値 片眼矯正視力 14.完全矯正値 両眼矯正視力
最も遠くが良く見えるメガネを使用したときの視力を測定します。
一例は、裸眼では0.3の視力でしたが、メガネを掛けて両眼1.2まで上がります。
15.最大加入度数
加入度は老眼の有無・必要最大度数の測定値です。
一例では、弱度の老眼有り。近視の度数を弱くするか遠近両用レンズまたは、
パソコン専用レンズの提案など参考とします。
16.ピューピロメーター実測PD
PD計を使用して瞳孔間距離の精度確認(重要な数値ですので念入りに)
17.測定備考欄(プリズム・微調整時の視力等)
プリズムの有無や度数を下げたときなどの視力の確認。
一例では、完全矯正値よりも0.25弱くしたときに視力が1.0になりました。
18.装用度数
実際に作るメガネの遠用度数データと老眼の加入度。作製は遠近両用累進レンズ。
一例では、全矯正値から一段(0.25D)弱くして加入度0.75Dの度数になりました。
19.装用度数 両眼視力
18のメガネを掛けて遠用視力は1.0となります。
20.装用PD 21.アイポイント位置
実際に作るメガネフレームを掛けて、
瞳孔間距離の再確認とアイポイント(眼の高さ)を測定します。
一例では、瞳孔間距離67、眼の高さはフレーム中心から2o上になります。
22.ご購入レンズ種類
選択・ご購入レンズ(メーカー名・種類・屈折率・累進帯長・コート・カラー)などを記載
23.ご購入・お持込フレームデータ
使用フレーム(形状・ブランド名・品番・サイズ・カラー)記載
24.各担当者サイン
各項目に担当したスタッフサインを記載

1.【お持ちのメガネ度数の情報】・・・デジタル機器で簡単に測定。
  →見え具合や全矯正値の参考に
2.【オートレフ(他覚測定)】で概要をつかみシステム検眼機に転送。
  →眼の状態を自動で測定(精度の高い情報)
3.【システム検眼機(自覚測定)】での測定・・・更に精度の高い全矯正値を測定。
  →視力や老眼度数なども測定します。
4.【仮枠】テストレンズで度数を体験しながら快適度数を選びましょう。
  →ご自身の眼で実際の見え方体験・比較をして度数を決定


メガネ屋さんは何をしているの?実はそんなに難しい事はしていません。
でも、何でも任せてばかりでは、実際の見え方の満足感や快適性は私達には分かりません。
測定データに基づいて、出来るだけのご提案をさせて頂きます。
最適・快適なレンズ・度数を選ぶお手伝いをさせて頂くのが眼鏡店の仕事です。

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